invisible hit counter
ホーム 芸能人プロフィール・現在 ホロライブ中国とは何だったのか?全員卒業の真相と現在を徹底追跡

ホロライブ中国とは何だったのか?全員卒業の真相と現在を徹底追跡

天海 空 天海 空 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
目次

バーチャルYouTuber(VTuber)業界が世界的なエンターテインメント産業へと急成長を遂げる中で、歴史の転換点として語り継がれる出来事があります。かつてカバー株式会社が中国市場向けに展開していた公式VTuberグループ「ホロライブ中国(Hololive China / ホロライブCN)」の突如たる解散と、日本本隊を含めた中国市場からの全面撤退劇です。日中両国のカルチャーが交差し、絶大な人気を博していた同グループは、なぜ突如として空中分解し、所属メンバー全員が卒業する事態に追い込まれたのでしょうか。

あれから年月が経過した2026年現在、当時の激動をリアルタイムで知らないファンも増える中、事件の背景にあった地政学的要因や企業ガバナンスの葛藤を正しく把握することは極めて重要です。本稿では、当時の公式発表資料、報道各社の記録、元所属タレントの足跡を再検証し、騒動の発端からホロライブ中国解散理由の核心、そして元メンバーたちの現在地までを余すところなく解き明かします。

【解散の全貌】ホロライブ中国とはどんな組織だったのか?突如の全員卒業と撤退の真相

ホロライブ中国とは

かつて存在したホロライブ中国とは、カバー株式会社が中華圏でのファンベース拡大を目的に立ち上げたVTuberプロジェクトです。2019年、中国の大手動画プラットフォーム「Bilibili(ビリビリ動画)」との提携を強化していた同社は、現地オーディションを実施し、中国語を母語とする専属ライバーグループ「ホロライブ中国(HoloCN)」を立ち上げました。

デビューしたタレントたちは流暢な中国語と現地のミームを取り入れた軽妙な配信で、瞬く間にBilibili内で数十万人規模のフォロワーを獲得します。当時は白上フブキをはじめとする日本のホロライブメンバーもBilibiliでミリオン級の支持を得ており、日中共同のコラボレーション配信や大型イベントへの出演など、順風満帆に見える拡大路線を歩んでいました。

しかし、その蜜月は2020年秋、極めて理不尽かつ突発的な出来事によって崩壊します。後にホロライブ中国撤退の真相として記録されるこの事態は、タレント個人のスキャンダルではなく、YouTubeと中国本土をめぐるプラットフォームの構造的断絶と、国家間のセンシティブな政治問題に巻き込まれた結果でした。カバー社はタレントの安全確保と企業としてのコンプライアンス維持を天秤にかけた末、苦渋の決断としてホロライブCN全員卒業という前代未聞の幕引きを選択することになったのです。

桐生ココbilibili騒動の全経緯|カバー株式会社中国撤退の決定打

組織崩壊の直接の引き金となったのが、2020年9月に発生した「桐生ココbilibili騒動」です。この一件は、VTuber史上最も苛烈なネットリンチおよびプラットフォーム間の摩擦事例として知られています。

発端は、ホロライブ所属タレントの赤井はあと、および桐生ココが自身のYouTube配信内で「YouTubeアナリティクス(各国からの視聴者比率データ)」を開示したことでした。その集計リストの地域名に「台湾」が含まれていたことが、中国本土の「一つの中国」原則を支持する一部ネットユーザーの間で猛烈な反発を呼びました。YouTubeが公式に提供している地域別データをそのまま読み上げたに過ぎない行為でしたが、Bilibiliへ同時ミラー配信されていたこと、さらには桐生ココが英語圏で圧倒的な影響力を持っていたことから、批判の矛先は彼女へと集中しました。

このホロライブ中国炎上経緯において、カバー社の初動対応は日中双方から激しい批判を浴びることになります。カバー社は当初、中国向け声明文に「一つの中国原則を尊重する」旨の文言を盛り込み、両タレントに対して3週間の活動自粛処分を発表しました。しかし、この対応が日本および欧米のファンから「中国の政治的圧力に屈服した言論弾圧である」と受け取られ、世界規模の不買運動や批判の声が殺到する事態を招いたのです。

さらに3週間の自粛が明けて桐生ココが復帰すると、中国本土のアンチコミュニティから組織的な荒らしツールを用いたスパム攻撃(チャット欄の埋め立てや個人情報の拡散予告)が数ヶ月にわたって執拗に行われました。日中両方のプラットフォームで事業を両立させることはもはや不可能となり、カバー株式会社中国撤退という不可逆の決断へと追い込まれていきました。

【所属メンバー一覧と現在】1期生・2期生6名の歩みと転生後のリアル

激動の荒波に最も翻弄されたのは、現地で懸命に配信を続けていたホロライブ中国1期生2期生のメンバーたちでした。グループには1期生として夜霧(Yogiri)、希薇婭(Civia)、黒桃影(Spade Echo)の3名、2期生として朵莉丝(Doris)、阿媂娅(Artia)、罗莎琳(Rosalyn)の3名が所属していました。

騒動の渦中、日本本社と現地タレント、そして中国の運営委託先との間で意思疎通の齟齬が生じ、一部メンバーによるSNS上での挑発的な言動や内部告発がリークされるなど、グループ内部の分断も深刻化しました。2020年11月12日、カバー社よりホロライブ中国公式発表としてメンバーの順次卒業がアナウンスされ、同年12月までに全員が活動を終了しました。

気になるホロライブ中国メンバー現在の動向ですが、2026年時点における調査・取材データによると、大半のタレントがBilibiliを中心とした個人勢VTuberやストリーマーへと転生し、それぞれの道を歩んでいます。

メンバー名(期生) 卒業発表日・最終配信 卒業後の足跡と転生先 編集部の見解・現在の状況
夜霧(Yogiri)
(1期生)
2020年12月20日 卒業 歌唱力を活かし、個人名義「七瀬未夜」等で配信活動を展開 グループ内随一の実力派として惜しまれつつ卒業。政治的発言を避け、音楽活動中心に根強い支持を維持。
希薇婭(Civia)
(1期生)
2020年11月18日 卒業 YouTube進出第一陣だったが、騒動後は個人勢としてBilibiliへ回帰 英語圏ファンからの期待も高かっただけに、国際分断の最大の被害者の一人として語られる。
黒桃影(Spade Echo)
(1期生)
2020年11月21日 卒業 中国国内プラットフォームにて個人VTuberとして再スタート 騒動時は静かな姿勢を貫き、現在も中国本土コミュニティでマイペースに活動を継続。
朵莉丝(Doris)
(2期生)
2020年12月5日 卒業 新アバターを取得し、Bilibili専属クリエイターとして活動 デビューから半年足らずでの解散という不運に見舞われたが、固定ファンに支えられ活動を継続。
阿媂娅(Artia)
(2期生)
2020年12月19日 卒業 Twitch・Bilibili併用配信者。騒動時の裏発言疑惑で海外コミュニティと摩擦 海外掲示板(Reddit等)での扇動疑惑が取り沙汰され、欧米圏での評価は完全に二分された。
罗莎琳(Rosalyn)
(2期生)
2020年12月27日 卒業 ゲーム実況者・配信者として現地プラットフォームで活動 2期生メンバー間での騒動への温度差に苦しみながらも、最後は公式の卒業配信を全うした。

【実態検証】日中ファンの分断と当時のネットの反応が生んだ摩擦

当時巻き起こったホロライブ中国ネットの反応は、単なるファン同士の意見対立にとどまらず、国家間のイデオロギー対立へと急激に発展しました。

BilibiliやWeibo(微博)などの中国SNS上では、「領土主権を軽視するタレントを絶対に許さない」「カバー社は中国市場を冒涜した」とするナショナリズムに基づいた過激な声明がトレンドを埋め尽くしました。一方で、日本の5ちゃんねる、Twitter(現X)、海外掲示板Redditでは、「なぜアナリティクスを読んだだけでタレントが自粛させられ、理不尽な攻撃を受けなければならないのか」「カバー社は中国の検閲に魂を売ったのか」という強い怒りと失望が噴出しました。

当時の特番インタビューや関係者の証言を振り返ると、カバー社の運営陣は日中双方からの板挟みとなり、社内でも「中国市場を維持すべきか、グローバル市場と既存タレントの尊厳を守るべきか」で連日深夜に及ぶ激論が交わされていたことがうかがえます。ネット上の過熱した攻撃は、桐生ココの配信チャット欄を無意味な記号や誹謗中傷で埋め尽くす荒らしボット攻撃へと先鋭化し、結果としてホロライブ中国現在に至るまで、日中VTuber交流の歴史に深い爪痕を残すことになりました。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|「個人勢移行」の挫折と権利問題

この解散劇において、ネット上で長らく誤解されている論点が「アバターの権利譲渡」を巡る経緯です。

当初のカバー社による公式声明文では、中国メンバーの今後の生活と活動を支援するため、「所属タレント本人に対してアバターの著作権を譲渡し、個人勢VTuberとして独立・継続活動できるように協議を進めている」と発表されていました。この決定に対しては、日本国内外のファンからも「カバー社のタレントに対する最大限の誠意である」と一時的に好意的な評価が寄せられました。

しかし、最終的な結果として個人勢へのアバター譲渡は白紙撤回され、全員が元の姿を失う形での完全卒業となりました。ネット上では「カバー社が約束を反故にした」という憶測が一部で飛び交いましたが、実際の現場事情は極めて複雑でした。

複数の関係者筋の証言によると、アバターの譲渡契約を進める過程で、一部メンバーが中国本土のSNS上で日本側を中傷するような発言を行っていた事実が発覚したこと、さらに中国現地での法人格や権利譲渡に伴う法的手続きが現地法や政治情勢の影響で暗礁に乗り上げたことが直接の原因でした。企業の知的財産(IP)を、自社を攻撃する陣営に渡す形になることへの株主やグローバルファンからの懸念も重なり、円満な権利譲渡という理想論は冷酷な現実の前に瓦解したのです。

【プロの結論】VTuber中国市場撤退が残した地政学的リスクとガバナンスの教訓

メディアガバナンスおよび国際ビジネスの視点からVTuber中国市場撤退を分析すると、この出来事はデジタルコンテンツ企業が直面する「チャイナリスク」の典型的な教訓として位置づけられます。

エンターテインメント企業が特定の大市場に進出する際、現地の政治的基準や言論統制をどこまで受容するかという「境界線(バウンダリー)」をあらかじめ策定していなかったことが、カバー社の初動のブレを招きました。中国市場の膨大な人口と収益性は魅力的ですが、ひとたび国家観に関わる摩擦が発生すれば、一切の妥協が許されないゼロサムゲームに引きずり込まれます。

しかし、皮肉にもこの中国撤退という痛烈な挫折こそが、カバー株式会社をその後の爆発的なグローバル成功へと導く最大の契機となりました。同社は中国市場に見切りをつけた直後、英語圏向けグループ「ホロライブEnglish(Myth)」の展開に全リソースを集中させました。その結果、欧米圏で記録的な社会現象を巻き起こし、2023年の東証グロース市場上場、さらには2026年に至る世界規模でのアリーナツアー開催など、世界市場での圧倒的覇権を確立することに成功したのです。

この歴史が示す組織論的な教訓は明確です。「すべての市場に迎合しようとする八方美人は、最終的にすべての信頼を失う」ということです。自社のタレントとコアバリューを守るために、巨大市場であっても撤退する覚悟を持てるかどうかが、グローバルIP企業の真の生命線を分けるのです。

【ホロライブ中国とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ホロライブ中国はなぜ全員卒業することになったのですか?
A1:2020年9月に発生した「桐生ココbilibili騒動」により、中国国内でホロライブ全体に対する大規模なボイコットと荒らし攻撃が発生したためです。日中両方の要求を満たす運営が不可能な状況となり、所属タレントの安全とブランド維持を最優先するため、カバー社は中国市場からの全面撤退と全員卒業を決定しました。

Q2:メンバーが使っていたアバターは今どうなっていますか?
A2:当初は個人勢として活動を継続できるようアバターの権利譲渡が協議されていましたが、契約上の問題や発言トラブル等の理由により合意に至らず、譲渡は白紙となりました。そのため、当時のアバターはすべて公式に凍結されており、元メンバーたちは別名義の個人勢として新たな姿で活動しています。

Q3:カバー社は今後、再び中国市場へ進出する可能性はありますか?
A3:2026年現在の同社の事業戦略を見る限り、中国本土への直接的な再進出やグループ結成の可能性は極めて低いと見られています。カバー社は現在、欧米・東南アジア市場および北米法人の強化に注力しており、言論やプラットフォームの政治的リスクが高い地域への積極展開は避ける方針を貫いています。

ホロライブ中国の設立から全員卒業に至る軌跡は、急速にボーダーレス化するデジタルエンターテインメントが直面した「現実世界の壁」を象徴する出来事でした。異文化交流の架け橋となるはずだったVTuberが、プラットフォームの仕様や地政学的な摩擦によって引き裂かれた事実は、現在も重い教訓として語り継がれています。

しかし、その危機を乗り越えて断行された撤退劇があったからこそ、カバー社は自社の守るべきアイデンティティを再定義し、真のグローバルIP企業へと脱皮することができました。激動の時代に青春を駆け抜けたホロライブCNの6名、そして自社のタレントを守り抜く決断を下した関係者たちの歩みは、VTuber文化の成熟において決して忘れてはならない重要な1ページです。

同じカテゴリの記事

天海 空
SEOスペシャリスト 天海 空
プロフィールを見る →

アイドルグループのリリースとライブ告知を6年追跡。加入や卒業の発表は公式発表の日付とあわせて記録しています。

おすすめの関連記事